石はその成り立ちから、人の生きざまと重なっています。
今日ご紹介するのは「変容の石」ガーネット。
私の誕生石でもあります。
一種の「トラウマ」を経て大きく変容した石。
何故「変容の石」と呼ぶのか。
その所以はガーネットの生成過程にありました。
ガーネットは変成岩で、元の姿は水晶でした。
一旦水晶として生まれたものの、長年の地震や地殻変動などで再度マグマに戻され、メルトダウンした結果全く違った石ガーネットとして生まれ変わるのです。
いわば大きな「トラウマ」を抱えながら大きく変容した姿がガーネットといえるでしょう。
こういう事象は割と自然界で普通に起こっていて、あの蝶も、サナギになり一度自分の身体を溶かすことで、全く違った美しい姿に「変容」を遂げるのだそう。
この「メルトダウン」という現象は、人間であれば「こうあるべき」とか「~しなければ」といったような思い込みや既成概念を無くすことなのではないでしょうか?
あたかもそれは「今までの自分を一旦失くす」という行為なのかもしれません。
「トラウマ」自体、そのきっかけとなりうるもので、それが無ければ「変容」もあり得ません。
実際、カーネットは本来の姿である水晶よりも価値のある石とされています。
「トラウマ」は、実は「変容」の為のギフトであるという何よりの証です。